オメガ3なのに加熱ができる「グリーンナッツオイル」という油を知っていますか?
なかなか聞き慣れない名前なので「全然知らない!」という方も多いと思います。
今回は、グリーンナッツオイルの効能や、ほかのオメガ3系の油との違い、危険だと思うポイントや、おすすめの商品まで…
このページを見たら「グリーンナッツオイルのことがよく分かった!」と思ってもらえるくらい詳しくまとめてみました!
目次
グリーンナッツオイルとは?
グリーンナッツオイルは、ペルーのアマゾン熱帯雨林に生る「グリーンナッツ(インカインチ種子)」から搾れる油です。
この植物や油の面白いところは、呼び方がいろいろとあるところ。
グリーンナッツのほかに、「インカインチ(オイル)」「サチャインチ(オイル)」とも呼ばれます。それぞれ聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
(でもちょっとややこしいですよね^^;私も最初は別物だと思っていました。)
因みにグリーンナッツの由来ですが、種が入っているさやが緑色の星型をしていることからそう呼ばれるようになったとか。
…写真を見ると分かるのですが、これがまた可愛いんですよね!メルヘンな世界に生っていても違和感ない感じ(笑)こんな特殊な形…自然になると思うとすごく不思議です。
ずばり!「オメガ3」と「ビタミンE」が多い油
グリーンナッツオイルはどういった油かというと、ずばり「オメガ3(αリノレン酸)」と「ビタミンE」が多い油です。
オメガ3(αリノレン酸)が多い
グリーンナッツオイルには、αリノレン酸が約50%とかなり多く含まれています。
- オレイン酸:8%
- リノール酸:30%
- αリノレン酸:50%
数ある植物油の中でも、オメガ3系のαリノレン酸を含む油って本当に少ないです。さらに、これだけの含有量を誇るものといったら…
亜麻仁油、えごま油、チアシードオイルくらいでしょうか。
だから、現代人は圧倒的に「αリノレン酸(オメガ3)が不足している」んです。
その不足を解消することが、体の機能を整え、さまざまな病気や老化を予防することにつながっていきます。
なので“オメガ3が多い油は体にいい油”と言うことができます。
ビタミンEが多い
もともと植物油はビタミンEを多く含む食品なのですが、その中でもダントツの含有量を誇るのがグリーンナッツオイルなのです。
その量なんと…100gあたり200mg!
ネットでランキングなどを見ると、植物油では「ひまわり油」が最もビタミンEが多い油とされていますが、ひまわり油のビタミンE含有量は100gで38.7mgです。
そのおよそ5倍も多いんですね。
また、同じナッツ類で特にビタミンEが多いことで知られるアーモンドと比較しても…こちらは100gで約30mgほどなので、やっぱり圧倒的にグリーンナッツオイルが上回っています。
まだまだ一般的な油ではないので、メジャーな油の影に隠れてしまっていますが、「ビタミンEの多さ」でいったらいつ人気が爆発してもおかしくない油ではないでしょうか。
グリーンナッツオイルに期待できる効果は?
現代人が不足しがち、あるいはぜひ摂りたいと願う栄養素の宝庫であるグリーンナッツオイル。
当然期待できる効果効能もたくさんあります。
オメガ3、ビタミンEに期待できる効果がそのまま当てはまるわけですね。
- 血液をサラサラにして血栓、動脈硬化を予防
- 体の炎症を抑えてあらゆる病気を遠ざける
- 頭の巡りもスムーズに!もの忘れ、認知症予防
- 中性脂肪を減らすなどのダイエット効果
- 花粉症、アトピーなどのアレルギー症状を緩和
- うつ気分の解消
- 体の酸化を食い止めて美肌に導く
などなど。
どちらも、健康にも美容にも良い栄養素なのが嬉しいです。
ほかのオメガ3系の油(亜麻仁油やえごま油など)との比較
先にも書きましたが、世の中にはオメガ3系の油が本当に少ない!
色々な油について調べてきた私が思いつく限り、亜麻仁油、えごま油、チアシードオイル、カメリナオイル…くらいでしょうか。
ではこれらの油とグリーンナッツオイルには何か違いがあるのか?ちょっと比較してみたいと思います。
【生推奨】…亜麻仁油、えごま油
亜麻仁油とえごま油は、よく一括りにされることが多いです。それは共通点が多いからですね。
まずαリノレン酸がどちらも50%以上ととても多いこと。
ただ、亜麻仁油は50%以上とされることが多いですが、えごま油はもう少し多くて60%くらいと書かれていることが多いです。(商品によってバラつきがあると思いますが。)
そしてどちらも「生推奨」なこと。
そのほとんどが酸化しやすいαリノレン酸でできているので、基本は加熱はダメで生のまま摂るのが良いとされています。
【加熱OK】…チアシードオイル、カメリナオイル
チアシードオイルも、えごま油と同じくらい、約60%がαリノレン酸でできている油です。(物によってはそれ以上含まれるものも。)
それなのに加熱OKなのがウリ。どうしてか?理由は、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれているからです。
とはいえ加熱レベルは「弱」推奨。さっと炒める程度ならOK、高温の揚げ物はNGという線引きがあります。
それからちょっと聞き慣れない油?カメリナオイル。
こちらは「(割りとしっかり目に)加熱できるオメガ3の油」として注目されている油の1つなのですが…それには理由がありました。
じつはオメガ3(αリノレン酸)の量が先にあげた油よりも少ないのです(;・∀・)
商品によって違いがありますが、大体27~38%くらい。
そして熱に比較的強いオメガ9脂肪酸がオメガ3と同じくらい含まれていること、やはり抗酸化作用のあるビタミンEやβカロテンが豊富というのが「加熱できる」理由のようです。
※ただ、その他の油は全てαリノレン酸の量が50%を超えているので、正直比較対象にはならないかな?というのが正直なところですが^^;
グリーンナッツオイルはチアシードオイルに近い?
以上を踏まえて考えてみると、グリーンナッツオイルはチアシードオイルに1番近いのかな?と思いました。
グリーンナッツオイルも、ビタミンEが多いことから、短時間の炒め物など軽い加熱ならOKとされています。
αリノレン酸はチアシードオイルのほうが多いのですが、「加熱できるオメガ3」という特徴が一致していますよね。
(とはいえビタミンE量はグリーンナッツオイルは100gで200mg、チアシードオイルは100gで約40~50mgなので、やはり圧倒的に多いのはグリーンナッツオイルのほうです。より加熱に強いのはグリーンナッツオイルと思っていいかも?)
亜麻仁油やえごま油は、基本加熱はNGなので、その点はグリーンナッツオイルのほうが使いやすい油と言えると思います。
グリーンナッツオイルが“危険な油”になるワケ
一見すると、グリーンナッツオイルは、オメガ3が多くてビタミンEも多くて、おまけに加熱調理にも使える。
最高の油じゃないか( ゚д゚ )クワッ!!
と思ってしまいますが、1つだけ注意したいことがあります。
それは「リノール酸が約30%含まれる」ということです。
あらゆる食品ですでにお腹いっぱい(超摂りすぎ)状態のリノール酸。
先に何度もあげている油、亜麻仁油やえごま油には約15%、チアシードオイルには約20%含まれています。
…こう比較してしまうと多いんですよね(-_-;)
さらに、リノール酸は酸化しやすいということに加えて“加熱すると神経を攻撃する毒素”を生むということを忘れてはいけません。
オメガ3が多くても「加熱していい」と言われたらしちゃいますよね。でもある程度のリノール酸もそこには含まれてしまっているので、じつは体に悪い成分も生まれてしまっているんです。
何と言うか…そこが“グリーンナッツオイルの盲点”のように感じてしまった私です。
貴重な栄養素を含んでいる油ですが、リノール酸や加熱のリスクを知っておくことが大切かなと思います。
グリーンナッツオイルの味と使い方について
↑で書いたように、グリーンナッツオイルは短時間の炒め物程度だったら加熱してもOKとされている油です。
※長時間の加熱、高温の揚げ物には向かないので注意。
生で摂ってももちろん大丈夫なので、1本でサラダドレッシング用から調理用、仕上げにかける…などいろんな使い方ができます。
ただ、どうやら味に少しクセがあるようで、使う人を選ぶようですね。
どんな味かというと「独特な草っぽい青臭さがある」との声多し。でもそれが「いい!」という人もいれば、「まずい…」という人もいます。
こればっかりは実際に試してみないと分からないところです。。
納豆のように味が強いものに混ぜればほとんど気にならないと思うので、興味があれば、まずは小さいボトルから試してみてはいかがでしょうか。
開封後の保存はどうする?
グリーンナッツオイルの保存方法についてです。
抗酸化成分が多いせいか、未開封であれば常温で保存が可能なようです。(亜麻仁油などでは未開封でも冷蔵庫保存のものが多いです。)
でも開封したら「冷蔵庫」で保存するようにしましょう。
やはりオメガ3(αリノレン酸)が主成分となっているので、その他の脂肪酸がメインの油と比べると酸化しやすいですから、ここは気を付けるようにしてください。
それから賞味期限について。
商品によって違いがありますが、大体、未開封のもので常温で2年間、開封後は3週間~1ヶ月以内に使い切るのが良いとされています。
この辺は亜麻仁油やえごま油と同じですね。
油も新鮮さが命ですから、保存には気を使うようにしましょう。
通販サイト「アマゾン」で見つけたおすすめ品
リノール酸の含有量がちょっと気になりますが、少しの加熱ならできるし、オメガ3の油の取っ掛かりにはいいのではないでしょうか。
そこで、アマゾンではどのような「グリーンナッツオイル」があるのか見てみることに。
結果、商品の種類はそれほどなくて、どれも品質が良さそうなものでしたので、ここでは個人的におすすめの商品をご紹介したいと思います。
レインフォレスト エキストラバージンオーガニックサチャインチオイル
エキストラバージン、オーガニック、遠心分離機を使わないで濾過しただけの低温圧搾一番搾り…と安心の要素が揃っているグリーンナッツオイル(サチャインチオイル)です。
が、リノール酸が38%と一般的に言われているよりも少し多いのが気になります。さらに調べると、こちらは原産国ペルーで搾油したものを日本で瓶詰めされているそうです。
油はなるべく短時間で「原材料→搾油→瓶詰め(商品化)」したほうが酸化を抑えられていいと思っているので、ここもちょっと気になった点です^^;
(実際どのくらい酸化が進むのかは分かりませんが…)
とはいえ高品質なのはたしかだと思います。
アルコイリス オーガニックインカインチオイル
もう1つはこちら。同じメーカーから別のインカインチオイルも出ていますが、「有機JAS認定」とされているのはこちらなのでおすすめさせてもらいます。
コールドプレス製法一番搾りで、脂肪酸組成は一般的に言われている通り、αリノレン酸が50%、リノール酸が30%とありました。
因みに、↑で気になった「最終加工はどこ?」ということは、よく分かりませんでした。。
こちらの商品は原産国「ペルー」とありますが、別の(同メーカーでオーガニックじゃないほう)の商品は「日本製」とあったり…。ただの表記間違いとかもありそうですしね^^;
今回の商品に限らずですが、そこまで詳しいことはメーカーに直接問い合わせないと分からないものがほとんどです。
それ以外の点については特に気になることはありません。
どちらも品質は悪くないと思うので、よければ気になったほうを一度試してみてください。
まとめ
グリーンナッツオイルについてまとめてみました。少しでも理解を深めていただいていたら幸いです。
こちらの油に対して、個人的に思うところはいくつかありますが、貴重なオメガ3やビタミンEをトップクラスで含んでいるところは、「魅力的だな~」と感じないと言ったら嘘になります。
安価なサラダ油に比べたら段違いに「体にいい油」ということができると思うので、まずは手始めに、気軽な気持ちで試されてみてはいかがでしょうか?