私たちの暮らしに最も身近な動物性脂肪は、ずばりラード(豚脂)ですよね。スーパーではチューブタイプのものが売られているのを見たことがある方も多いでしょう。
しかし、世間一般ではいいイメージの無い動物性脂肪…本当にラードは体に良くないのでしょうか?その点も含めて、ラードについてまとめてみました。
手軽に旨みアップ!ラードは料理下手さんに嬉しい脂?
ラードは基本的に、豚の背脂を精製したもので、見た目は白色で常温でクリーム状をしています。独自の風味やコクがあるので、今日さまざまな料理で活用されています。
特に脂の旨味ができ上がりに強く影響するラーメンやとんかつなどでは“欠かせない調味料”という位置づけで、プロの料理家も愛用しているそうな。そしてお店で売られている揚げ物にもよく使われています。
もちろん家庭で使ってもラードは手軽に旨味をアップさせてくれる嬉しい食材。
いつもの油…例えばサラダ油をラードに変えただけで、料理の味が格段にアップ。「野菜だけの野菜炒めなのに、何?このコクと旨味は…!」と驚く方も多いはず。炒飯との相性もばっちり。
こんなに簡単な“料理の腕前を上げる方法”は他に無いでしょう(笑)
ラードは2種類ある?選びたいのは…
ラードは何気ない料理に旨味を付加してくれる脂ですが、やはり品質は1つ1つ違います。当然、「豚肉の品質=ラードの品質」と思っていいでしょう。
お肉屋さんが売っているコロッケ等の揚げ物が格別に美味しいのは、新鮮なラードを使っているから、に違いありません。(とはいえ冷めると脂っぽくなってしまうのが玉にきず。。)
また、そもそもの豚脂の品質のほか、構成材料が違っている場合もあるので注意が必要。
というのも、ラードには純粋に100%豚の脂を使った「純正ラード」と、パーム油や牛脂を混ぜた「調整ラード」の2種類があります。
牛脂はいいとしても、パーム油は体によくないので、当然選びたいのは純正ラードのほう。購入するときは表示をよく確認するようにしましょう。
脂肪酸組成はどうなってる?
ラードは同じ動物性脂肪の牛脂よりも柔らかく、常温でクリーム状をしています。そこで気になるのがラードに含まれる脂肪酸。
ここでラードの脂肪酸組成をチェックしてみましょう。
- 飽和脂肪酸:40%
…パルミチン酸:24% ステアリン酸:13% - 一価不飽和脂肪酸:45%
…オレイン酸:41% パルミトレイン酸:3% - 多価不飽和脂肪酸:10%
…リノール酸:10% αリノレン酸:1%
ラードも牛脂と同様、飽和脂肪酸が一番多いかと思いきや、最も多く含まれていたのは一価不飽和脂肪酸のオレイン酸(41%)でした。
やはり牛脂のほうが飽和脂肪酸が多いので(約50%)、固形、クリーム状といった両者の形状の違いにも納得です。
ラードの賞味期限と保存方法
タダでもらえる牛脂の場合は、賞味期限が気になる方が多かったですが、ではラードでは…?こちらも一定数の方は気になる方がいるようでした。
まずは商品の記載をチェックして、それでも分からなければ↓を参考に。
商品によって違うかもしれませんが、調べたところ、未開封で冷凍した場合は6ヶ月間、冷蔵した場合は3ヶ月間くらいが目安のようです。
そして皆さん気になるのが「すでに開封してしまった」ものについてかと思います。開封後はなるべく早く~という表記のみのものも多いですから気になってしまいますよね。
こちらも調べた限りでは、開封したラードは「冷蔵で20日~1ヶ月間くらい」が目安のようです。
しかし、改めて調べてみて「え?そんなもんなんだー」と思ったのも事実。。
ラードやヘットなどの動物性の脂(飽和脂肪酸)は植物油よりも酸化しにくいと言われていたので、もうちょっと長期間保存できるかと思っていました。(さらにラードは酸化防止剤(ビタミンE)が入っているものも多いので…)
酸化しやすい植物油の亜麻仁油やえごま油でも開封後1ヶ月くらいは大丈夫ですからね…ちょっとこの点はよく分からず。もう少し調べてみる必要がありそう。
そして冷蔵か常温保存かでも迷うところですが、これも「冷蔵がいい」「常温保存でOK」と意見はさまざま…。できるなら冷蔵保存のほうがいいと思いますが、すぐに使い切るor冬場なら常温でも大丈夫かな?
たくさん余っていてすぐに使い切れそうにないなら、少し面倒ですが、小分けにして冷凍しておくのがベストです。
ラードは体にいいの?悪いの?
一昔前だったら「ラードは体に悪い」と信じて疑わなかった自分ですが、今は違います。
最近では、ダイエットにおいても健康面においても、動物性脂肪の価値が見直される動きが広まっているようです。
かつて、ラードをよく食べていた沖縄県民は日本一の長寿だった、というデータもあるくらいですから、当然この事実を無視するわけにはいきませんよね。
もちろん摂り過ぎはいけませんが、それはどんな食用油、食べ物でも同じこと。ラードも適量の摂取なら健康を害することは無いでしょう。
少なくともリノール酸が多い現代に溢れる「サラダ油」よりも安全性は高いと言えます。
あなたも自分が今摂っている油はどういったものか、見直してみて、場合によってはラード等の動物性脂肪を取り入れてみるのもいいかもしれません。
まとめ
今回調べてみて、ラードを含め動物性脂肪についてはもっとよく勉強する必要があるなぁと感じました。毎日の料理を美味しく、そして毎日の健康を支えてくれるかもしれないラードに興味がむくむくと。…とりあえず、手作りラード作ってみたい(ボソ)