一大ブームは去ったような気もしますが、まだまだ人気は衰えていないココナッツオイル。
そして、それに猛烈に追随するオイルがあります、それがMCTオイル。
この2つの油はよく比較されることがあります。それはなぜかというと…両者が「似て非なるもの」だから。
今回は「ココナッツオイル」と「MCTオイル」の違いに迫ってみたいと思います。
ココナッツオイルとMCTオイルの違い
この2つの油がどうして比較されるのか?それは…
ココナッツオイルから摂れるMCTオイルがある
からだと思います。
MCTオイルは、主にココナッツオイルかパーム油のどちらかから「ある脂肪酸だけを抽出」して作られた油です。
ココナッツオイルもパーム油も同じヤシ科の植物から搾れる油で、どちらも「ヤシ油」なんて言われることもあるのでちょっとややこしいのですが(-_-;)
なので、パーム油から作られたMCTオイルとココナッツオイルでは「元の原料が違う」ということになりますが、
おそらく純粋にココナッツオイルから摂れるMCTオイルとココナッツオイルの違いが気になる方が多いのではないでしょうかね?
(あれ?何かややこしい…)
つまり。
どっちも同じ原材料(ココナッツ)だし、何が違うのよ?
と気になっているのでは?
その答えは、すでに↑に書いた中にある「ある脂肪酸だけを抽出」という部分がポイントです。
実はMCTオイルは、ココナッツオイル(パーム油)から「中鎖脂肪酸」という脂肪酸だけを取り出して作られた油なんです。
※この記事でも詳しく書いていますが…↓
まず、ここが大きな違いです。
MCTオイルは、「中鎖脂肪酸」にはさまざまなメリットがある、ということで生まれたみたいですね。
それでは両者の脂肪酸組成の違いについても見てみましょうか。
ココナッツオイルとMCTオイルの脂肪酸組成
ヴァージンココナッツオイル | MCTオイル | |
脂肪酸組成 | 中鎖脂肪酸 67.1% ・カプリル酸 9.5% ・カプリン酸 6.8% ・ラウリン酸 50.8% 長鎖脂肪酸 28.2% 一価不飽和脂肪酸 4.5% |
中鎖脂肪酸約 98% ・カプリル酸 55% ・カプリン酸 41% ・ラウリン酸 2% 長鎖脂肪酸 1.7% 一価不飽和脂肪酸 0.3% |
※脂肪酸の割合は商品により微妙に違うことがあります。
こちら↓の商品ページに詳しく記載されていて分かりやすかったので参考にさせてもらいました。
※こちらはココナッツの風味を残すため約98%が中鎖脂肪酸とのこと。ほかの商品では100%のものが多いです。
ココナッツオイルには60~70%ほどの中鎖脂肪酸が含まれるのに対し、そこだけを取り出しているので当然ですが、MCTオイルは約100%中鎖脂肪酸の油となっています。
長鎖脂肪酸はほぼ0!
ただ、ココナッツオイルにたっぷり含まれる、こちらも中鎖脂肪酸の「ラウリン酸」は、MCTオイルにはほぼ含まれていません。弾かれてしまっています^^;
中鎖脂肪酸の中でも「カプリル酸」「カプリン酸」だけを抽出したのがMCTオイルだということが分かりますね。
ラウリン酸は用無しなの?
どうしてMCTオイルにする過程で、同じ中鎖脂肪酸であるにも関わらず「ラウリン酸」は弾かれてしまったのでしょうか?
- ラウリン酸はよくないから?
- ラウリン酸は役に立たないから?
いいえ。
一般的にラウリン酸は、抗菌効果があったり免疫力を上げたり…と「良い成分」とされていて、母乳にも含まれることから安全性が高いと言われています。
調べたところ、
カプリル酸やカプリン酸は、ブドウ糖の代わりに脳の働きをサポートする「ケトン体」を効率よく作ってくれる、ということで厳選されたみたいですね。
このケトン体の生成は、MCTオイルのメリットの1つとして注目されています。
ただ、ココナッツオイル愛好家の方の中には「ココナッツオイルの肝はラウリン酸。MCTオイルはラウリン酸が入ってないから×」という声も…。
何だか同じものから作られているのに
ココナッツオイル VS MCTオイル
の構図が見えるようです(;・∀・)
脂肪酸以外の違い
ここまで、それぞれに含まれる「脂肪酸」の違いについて書いてみましたが、その他にはどんな違いがあるのでしょうか?
それは「味」と「使い勝手」の2つがあります。
味の違い
まず、当然ですがココナッツオイルは「ココナッツ」の風味がすることで知られています。独特の甘みがあって、好きな人もいますが、苦手な人も多いみたいです。
そのままだとそれほど気にならないけど、「料理に使うと完全にアウト」という人も…。
その点「MCTオイル」は無味無臭。ココナッツ由来のものは本当に少しだけココナッツ風味がするようですが、元のココナッツオイルに比べたら雲泥の差でしょう。
使い勝手の違い
ココナッツオイルは、24度以下だと固まるので基本は固形です。
スプーンですくうなど、固形のままだと少し使い勝手が悪い…と感じる方もいるかもしれません。
その点「MCTオイル」は温度の低い冬でもサラッと液体のままをキープ。液体ならボトルからそのまま使えるし、たぶん固形のものよりも「使い勝手は良い」のではないでしょうか。
とはいえココナッツオイルは加熱OKのところ、MCTオイルは加熱NG。
その点の使い勝手の良さはココナッツオイルのほうが上ですよね(;・∀・)
結局はその人の使い方次第で「使い勝手の良さ」も変わってきそうです。
摂るならどっちがいいの?
さて、ここまでの内容をご覧になっていかがでしたか?
ココナッツオイルとMCTオイルの違いが少しでも伝わっているといいのですが…(相変わらず説明下手な自分)
そのうえであなたならどっちの油が使いたいでしょう…?
それぞれ、元をたどれば同じような原材料…とはいえ、構成している脂肪酸は大きく違うので、やはりきっちりと「別物」と捉えたほうがいいかもしれませんね。
私は、原材料のココナッツオイルもパーム油もちょっと危険な香りがするので、「こっち!」と簡単に選べないのですが。
強いて言えば…
ココナッツオイルでしょうか!(もちろん“ヴァージン”が付いてるやつです)
ココナッツ風味ってどんな?というのが気になるのと、熱に強いところがやっぱりいいかなと。
生のまま摂る油は「オメガ3」で足りているので(笑)色々試してみたいのは「加熱OK」の油ですね~。
まとめ
ココナッツオイルとMCTオイルの違いについて書いてみましたが、いかがでしたか?
ココナッツオイルとMCTオイルが「似て非なるもの」と私が(勝手に)言っている理由を少しはお分かりいただけたと思います。
どちらも積極的にはおすすめしませんが…ビビッときたなら試してみるのもいいかなと。
今回の記事を参考に、より最適なほうを選んでいただけたらと思います。