あなたが油に興味があって、もしご自分でも色々と調べたことがあるなら「γリノレン酸」という脂肪酸を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そこで瞬時に思い浮かぶのが、体にいいと知られてきた「αリノレン酸」。何と言っても名前が似ています(笑)
さて、この両者にはどんな違いがあるのか…あなたは気になりませんか?今回はリノレン酸のお話です。
実は「リノレン酸」には3種類あります!
実は“リノレン酸”と名の付く脂肪酸には3種類あるのをご存知ですか?
それぞれの頭に
- α(アルファ)
- β(ベータ)
- γ(ガンマ)
が付いた3つのリノレン酸です。
これは発見された順番を表しており、1つ目に発見されたのがαリノレン酸、そして3つ目に発見されたものがγリノレン酸ということになります。
αリノレン酸とγリノレン酸には驚くほど大きな違いがあった
さて、αもγも同じリノレン酸の仲間なわけですが、実際は「全くの別物である」と覚えておきましょう。
なぜならαリノレン酸はオメガ3に分類されますが、γリノレン酸はオメガ6に分類されるからです。
それもそのはず、γリノレン酸は体内でリノール酸から合成されるのです。その後はさらにアラキドン酸に変換されます。
リノール酸 → γリノレン酸 → ジホモ-γ-リノレン酸 → アラキドン酸
実際は、γリノレン酸はαリノレン酸の構造異性体で組成式は同じ。(原子の結合が違う)
ですので、「全くの別物」という書き方には誤りがあるのですが、“リノレン酸”が付くことでαリノレン酸と同じようなもの…と認識している方も多いと思うのであえてこのような書き方をしました^^;
正直「構造異性体」と言われても何がなんだかちんぷんかんぷん、よく分かりませんでした(汗)
γリノレン酸はよく分からない脂肪酸?
γリノレン酸については調べてもややこしい点が多く、実は管理人の足らない頭ではよく理解できなかった…というのが本当のところ\(^o^)/
最初、「オメガ6」「オメガ3」と分かれているところは分かりやすかったのです。「γリノレン酸はオメガ6?リノール酸から作られる?じゃあ体に悪いじゃん!」と。
しかしαリノレン酸の作用と同じく「抗炎症作用」を促す物質(プロスタグランジンE1)に変化する、といった記述も見つけたのです。
えー…どっちなの?と正直混乱。
しかしながら、さらに調べて考えた結果、「γリノレン酸は、体内の脂肪酸のバランスによって良い作用(炎症を抑える)をする物質にも悪い作用(炎症を促す)をする物質にも変わる」という一応の結論に達しました。
実際γリノレン酸が体に有用な作用をするのはたしかです。
γリノレン酸の効果としては…
- 健康な皮膚の状態を保つのに必要不可欠
- 動脈硬化や高血圧の予防
- 肝機能アップ
- アレルギー性皮膚炎
- ホルモンバランスの調整(PMS、生理痛、更年期障害の改善)
- 血中コレステロールを下げる
- うつ病予防
ただし、老化や喫煙、食生活の乱れ、アルコール過多などなど…さまざまな要因で減ってしまったり生成が困難になってしまうそう。
でも「過剰気味なリノール酸から作られるなら不足することはないんじゃ?」と思われるかもしれませんが、実はまさにそのこと(リノール酸過剰)が原因で必要量が作られなかったり、先述したように、悪い作用をするほうに傾いてしまうのでは?と考えられます。
因みにγリノレン酸はリノール酸から作られると言っても、そのほとんどは食事から摂っているそうです。
γリノレン酸を豊富に含む食材は凄く少なくて、母乳、月見草オイル、ブラックカラントオイル、ヘンプナッツオイル、ボラージオイルなどごく限られたものにしか含まれないのですが…そうなんですね↑(日常摂取するものの中にも含まれますがごく微量です)
リノール酸はたっぷり摂っているはずなのに…やはり偏った脂肪酸バランスのせいで上手く変換できていないのでしょうか。
まとめ
今回はαリノレン酸の仲間?と一瞬勘違いしてしまう「γリノレン酸」についてまとめてみました。…と言っても曖昧な感じで分かりづらかったでしょうか。。(すみません)
ただ1つ確実なのは、「それぞれの脂肪酸が体に有用に働くためには摂取バランスが非常に大事である」ということです。
γリノレン酸の良いところを伸ばすためにもリノール酸の摂取は程々に…を心掛けていきましょう。