健康診断で「高尿酸血症」と診断された、自分は尿酸値が高めなことが分かった…という方も多いのではないでしょうか?
その場合、まずやるべき対策として言われるのが「プリン体の摂取を控えること」。プリン体と尿酸値には密接な関係がありますからね。そして魚はプリン体が多いことで知られています。
そこでこう疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?「魚由来のDHA・EPAサプリにはプリン体が含まれているのか…?」と。
プリン体と尿酸値の関係
DHA・EPAサプリに関する話の前に、まずはプリン体や尿酸値について少しご説明しましょう。
プリンはプリンでも、スプーンでつつけば震えるプリンではなく「プリン体」とは、尿酸を作る素のようなものです。プリン体は細胞内の核酸を作る成分で、代謝の過程で尿酸に変化。
そしてこの尿酸はどのようなものかというと、細胞の老廃物と言われており、いわば「ゴミ」のようなもの…という認識でOKかと思います。尿から排出されるもの、という意味から「尿酸」です。
「プリン体→尿酸」という図式から、過剰なプリン体の摂取は過剰な尿酸を作り、体内にたまり、やがては激痛を伴う結石や痛風の他さまざまな病気の原因になると考えられています。
「自分の体にはどれだけ尿酸がたまっているのだろう?」これは尿酸値を見れば分かります。尿酸値とは、血液中の尿酸の濃さを示したものです。
尿酸の基準値は大体「4.0~7.0mg/dl」となっていて、7.0mg/dlをオーバーすると「高尿酸血症」と診断されるようです。
プリン体が多いものは全部諦めなくてはいけない?
さて、プリン体と尿酸と尿酸値の関係から、高尿酸血症と診断されれば、まず「プリン体が多いものは控えるように」と言われてしまうでしょう。
魚もプリン体を多く含む食品の1つなので(全てがそうとは限りませんが)、大の魚好きさんには辛いですし、それほど好きでなくても健康のために食べている人にとっても辛い事実です。
もちろん魚以外にもプリン体が豊富な食品はたくさんあります。では、それらを全部諦めなくてはいけないのでしょうか?
大まかな意味では答えは「NO」となります。
諦める…と言うと“一切食べない”という印象になってしまい、ちょっと大げさでしたね。少し食べるぐらいならどんなものでも特に気にする必要は無いでしょう。
そしてもう1つの理由。
実はプリン体は体内で勝手に作られるものが全体のほとんどを占めており、食事から摂る分を制限してもそれほど意味は無い…らしいのです。
それに尿酸値が上がってしまう原因は何もプリン体だけではないようで、もともとの体質でそうなってしまう人がいたり、普段の生活習慣によるものだったりと、原因は未だはっきりとは分かっていないみたいなんです。
なので、もちろんプリン体が多いものを「控える」という意識は大事ですが、他にも同じように尿酸値を上げると言われているアルコールを控える、しっかり水分を摂る、肥満に気をつける、海藻や野菜などのアルカリ性食品を摂るなどの心掛けが大切となります。
DHA・EPAサプリにプリン体は含まれる?
さて、いよいよ本題の「DHA・EPAサプリにプリン体は含まれるのか?」の疑問について触れていきましょう。
一般的には、DHA・EPAサプリは魚の油成分を抽出したものなので、核酸成分であるプリン体が含まれている確率は非常に低いと思われます。とはいえ「絶対に0」と言い切れるものでもなく、そこはメーカーや商品によりけり…というのが本当のところです。
しかしながら先に書いたように「完全に無意味では無いけれど、食事を制限しても思ったような効果は現れないかも…」という現実を考えると、魚そのものではない魚油の成分のサプリメントにおいて、そこに含まれるプリン体を気にする必要はそれほど無いんじゃないか…というのが個人的な感想です。
それに、むしろ「DHA・EPAサプリは尿酸値が高い人や痛風にいい」という情報もあるくらいなのです。
すでに多くの方がご存知の通り、DHA・EPAは血液をサラサラにして中性脂肪を減らし、体の中の巡りを良くする効果が期待できる話題の成分。
悪いのはプリン体ではなく、あくまで「体に必要以上に尿酸がたまって尿酸値が上がってしまうこと」なので、DHA・EPAで体内の巡りが良くなれば、自然と尿酸の排出もスムーズになるでしょう。
プリン体が気になりどうしても魚を食べることに抵抗があるなら、せめてサプリメントでDHA・EPAをしっかり補うことをおすすめします。
まとめ
尿酸値が高いと「プリン体は控えるべき」ということが常識でしたが、今では「プリン体は関係ない」という情報も目にするようになりました。
100%信用できると確信できない以上は慎重に行動する必要がありますが、DHA・EPAは健康を維持するうえで欠かすことができない。
これもまた事実なので、サプリなどを活用して上手く折り合いをつけていくのが得策かと思います。