「DHAが多い食品といえば?」と聞かれて、あなたは何を想像しますか?おそらく一定数の方が「まぐろ」と答えるのではないでしょうか。(詳しくはまぐろの目玉?)
それくらい「DHA=まぐろ」のイメージって強い気がします。
しかし、DHAが豊富でなおかつ美味しい!まぐろには、じつは食べ過ぎてはいけない“ある理由”があったんです。それは何かというと…
目次
体に有害なメチル水銀が多く含まれる
悲しいことに、まぐろ(クロマグロ、メバチマグロなど)には有害物質のメチル水銀が多く含まれています。
体に悪いということは知っているけど、水銀がどういうものか知らない、というあなたへ。
それでは水銀についてちょっと見てみましょう。
水銀とは?
水銀は水俣病などの公害病の原因であると言われていて、特にメチル水銀は中枢神経系にダメージを与える恐ろしいものです。
特に要注意なのは妊婦さんで、お腹の中にいる胎児は摂取された水銀の影響を強く受けてしまうため、先天的に脳に障害が出るリスクが高くなってしまうそうです。
また、小さな子どもの場合も同様に注意したほうがいいようです。
加熱したら大丈夫?
まぐろと言うと「お刺身」「寿司」のイメージが強いですが、もちろん加熱した料理もありますよね。
その場合、肝心のDHA・EPA量も減ってしまいますが…。まぁそれは置いておいて、加熱したら水銀の心配も無くなるのでしょうか?
これは…残念ながら「NO!」です(;´Д`)
メチル水銀は、タンパク質とくっ付いていて、加熱しても減らないのだそう。。
水銀が少ない部位なら平気?
食べる部位によって水銀量が変わるなら、少ないところなら安心して食べられそうですよね。まぐろで水銀が少ない部位はあるのでしょうか?
これは…残念ながら「ない!」です(;´Д`)
というのも、水銀は筋肉部分、つまり“可食部分”に多いので避けようがないんです。。
内臓よりも筋肉部分に多く見られるそうです。…ということは、内臓にも水銀は含まれるということ。
(魚の内臓って食べれるの!?って思ったけど実際あるようですね、初めて知りました^^;ただし、魚介類の内臓で可食OKなのは、限られたものだけだと思われるのでご注意。)
まぐろの種類による水銀量の違い
ここまで絶望的なことばかりでしたが、ここにきてやっと希望の光が!というのも、「まぐろ」と一口に言っても種類がさまざまで、中には「水銀濃度の低い」まぐろもいるのです。
【水銀が多いまぐろ】
クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチマグロ、クロカジキ、メカジキ、マカジキなど
【水銀が少ないまぐろ】
キハダマグロ、ビンナガマグロ、メジマグロ(クロマグロの幼魚)など
本マグロじゃなきゃ嫌!(`;ω;´)という場合はもう仕方ありませんが(こだわりがある方もきっといると思います)
まぐろならどんな種類でもOK( ´∀`)b!なら、「水銀が少ないまぐろ」ならそれほど水銀を気にする必要はありません。
食べてもいいまぐろの量は?【摂取目安量】
一般的に、まぐろには「水銀の問題がありあり」ということが分かりました(-_-;)
まぐろは、DHA・EPAが豊富で健康的な食品ではありますが、「食べ過ぎはNG」となります。
とはいえ、裏を返せば「食べ過ぎなければ大丈夫」と言うことができます^^
調べたところ、水銀の影響が考えにくい「まぐろ」の摂取目安量は…
- 健康な成人で週に1回100g~とっても200g以下
- 妊婦さんや幼児は週に1回50~100g以下
ということでした。
こうして見ると「少な(´゚д゚`)!」と思ってしまいますよね^^;まぁあくまでも目安なので多少オーバーしても平気かと思いますが。(むしろオーバーしてる人が大半の予感…笑)
因みによく食卓に登場するその他の魚(サンマ、イワシ、サバなど)は水銀濃度が低いので特に気にしなくてもOKです。
まぐろ以外にも水銀の心配が少なくてDHAが豊富な魚はたくさんあるので、バランスよく摂取するようにしましょう。
余談:赤身にはDHAやEPAはそれほど多くない
「食べ過ぎてはいけない理由」とはちょっと違うのですが、DHA摂取目的でまぐろを食べているあなたに少し悲しいお知らせです。。
「まぐろ」と言うと、多くの方があの赤々とした脂身のない赤身のまぐろをイメージされると思うのですが、実は赤身にはそれほどDHAやEPAは多くありません。
DHAが多いのはずばり「トロ」。
「毎日の献立(魚選び)の参考に!DHA・EPAが多い魚ランキング」でもご紹介したように、ほかの魚の追随を許さないダントツの含有量を誇ります。
よく考えてみれば、DHAやEPAは魚油に多く含まれる成分なので、脂肪分が多いトロに多くて当然なのですが、「DHAが多い=まぐろ=赤身のまぐろ」の図式ができあがっているせいで勘違いされている方も多いのではないかと思います。
因みに可食部100g中のDHA含有量ですが、まぐろのトロで約3,200mgなのに対して、赤身は120mgほど。(EPAはトロで1,400mg、赤身で27mg)
こうして見てもその差は歴然(゜o゜;赤身で必要量のDHAを補おうとするとかなりの量を食べなければいけないということになりますね。
まとめ
まぐろはDHAが豊富な魚の代名詞のような存在ですが(じつはトロでしたが)、食べ過ぎはとても危険なリスクを孕んでいたんですね。
偏った栄養摂取はよくない、という以前の問題なので注意が必要です。
とはいえ貴重なDHAやEPAの摂取源であることに変わりはありませんので、適量を守って賢くその健康効果の恩恵に預かっちゃいましょう。
もちろんほかの食材もバランスよく摂ることもお忘れなく、です!